社団法人 日本写真協会
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東京写真月間 日本写真協会賞 入会案内 写真協会プロフィール 事業報告
受賞者
受賞理由
国際賞
テリー・ベネット(英国)

 
ロンドン在住の古写真コレクターであり、ディーラーでもあるテリー・ベネット氏は、永年にわたって、日本の幕末から明治期写真の収集、研究を行っており、昨年その集大成である著書『PHOTOGRAPHY IN JAPAN 1853-1912』を上梓。豊富かつ貴重な写真と文献は、数多く海外に流出し、われわれ日本人が失ってしまった一時代の“祖国の映像記録”とも言えるもので、その価値を現代人に見直させた功績は大きい。また、同時に出版された日本古写真のコレクターのためのデータガイドブックも詳細で、これらの本が今後の日本の写真史研究に大きく寄与することは間違いないと思われる。

功労賞

大西 實
 
1981年より社団法人日本写真協会常務理事・会長に就任以来20余年の永きにわたり、協会の協賛組織と写真文化活動の充実強化を図り、また富士写真フイルム蠅亮卍后Σ馗后⊆命心狂材料工業会会長をはじめ広く写真各方面にわたる要職を歴任し、その間、日本写真感光材料のレベルアップのリーダーシップをとり、日本写真工業の国際的な充実と地位の確立に大きく寄与し、多大の成果を収めた。
 
故・倉持悟郎  
日本では数少ない硬派のフォトコーディネーターとして、最近は社会的な問題を扱ったドキュメンタリー系の写真展を数多く開催し、日本の写真家を海外に、海外の写真家を日本に紹介。なかでもルクセンブルクの写真家エドワード・スタイケンの歴史的な大写真展「ザ・ファミリー・オブ・マン展」の開催を通じて日本とルクセンブルクの交流に大きく貢献したとして、2002年に同国から勲章を授与される。人権問題、人道支援などヒューマンな問題を数多くの写真展で社会に伝えた功労は多大である。
 
津田洋甫  
関西写真界にあって、古くからの伝統を現代にひきついできた浪華写真倶楽部は創立103周年を迎えたが、その間、同倶楽部の有力幹部として、また、近年は代表としてリーダーシップを発揮しつづけ、記念写真集の刊行や東京、大阪、奈良における写真展開催など先人たちが積み上げてきた写真文化の遺産を精力的に紹介するなど尽力してきた貢献に対して。
 
文化振興賞  飯田市  
藤本四八写真文化賞/長野県飯田市に生まれ、日本工房を振り出しに写真界で長年にわたり活躍、後年は日本写真家協会会長として尽力した藤本四八氏の業績を記念して、故郷が創設した同賞も、昨年で第5回(隔年開催のため10年)を迎えた。同賞の特長は、推薦によるプロの部門と、応募によりアマチュアも参加できる二つの部門の開設である。前者は近年では実力派の作家を顕彰し、後者も意欲的なアマチュア作家の登竜門としてますます意義深い賞へと発展を続けている。
京都写真クラブ
「How are you,
PHOTOGRAPHY?展」
実行委員会
 

京都写真クラブは代表の森岡誠を中心に写真を愛する京都の写真家達が自由に集い、自主的に運営するクラブで「How are you, PHOTOGRAPHY?展」は1997年第1回展開催から2006年まで毎年開催され、すでに11回を重ねている。参加者も年毎に増加し、京都中のいろいろなギャラリーで12月に数多くの写真展を開催、関西の写真文化の振興に大きく貢献している。参加者は多彩で、プロ写真家、デザイナー、大学教授、写真学生、編集者から一般の会社員、OLなどと広く写真を愛する人達ばかりで、2002年からは京都府、京都市などからも支援を受けている。
 
年度賞 中村征夫  
我々が簡単には見られない、美しい海中の風景や、海の生物たちの一瞬のドラマを、世界中の海を舞台に撮影し続けている水中写真家中村征夫は、2006年に東京都写真美術館で「海中2万7000時間の旅」という大写真展を開催した。この写真展はこれまでの40年間に撮影した代表作に加え、最新の撮りおろし作品を加えたもので、日本を代表する水中写真家、中村征夫の全貌を示すすばらしい展示は多くの鑑賞者を魅了した。また中村は美しい世界だけでなく海中をドキュメントすることで世界の母なる海の自然保護をうったえる活動をしていることも見逃せない。
 
作家賞 永坂嘉光  
高野山生まれの永坂は1970年頃から高野山の撮影を始め、空海入定の聖地高野山や山岳宗教に関する作品集は30冊近くもある。さらに1990年頃からは吉野をはじめとして北は恐山、岩木山、南は英彦山、桜島まで全国の山岳霊場を巡り、移動距離10万キロ、取材期間は10数年にもおよんだ。また最近では世界遺産に登録された紀伊山地の霊場と大峯奥駈道を修験者たちと同行して撮影し、2006年には写真集『天界の道』を上梓している。この作品について吉野・金峯山寺の執行長が“永坂氏の写真はその情景の奥に聖なるものの存在と、この地に生きた人々の営みを、ものの見事に感じさせる”と評しているが、まさに永坂は今や写真の修験者ともいえる存在となっている。
 
水谷章人  
1970年代の幕あけ頃からフリーランスのスポーツ専門のオールラウンドの鮮鋭な写真家として活躍してきたが、ことにスキーやラグビーの写真の見事な表現力量は他の追随を許さぬものがあり、当代髄一の実力を示しつづけた。札幌五輪をきっかけにスポーツ専門誌の台頭の中で『Number』に5年間100回連載をつづけて以来、スポーツ写真の最前線に立ちつづけてきた実績はどれほど高く評価しても過褒にはならないだろう。まさにわが国のスポーツ写真史を個人の写真家として表現しえた貴重な存在であろう。また、日本のスポーツプレス協会などを中心に後進へのすぐれたリーダーシップも見逃せない。
 
学芸賞 光田由里

 
『写真、「芸術」との界面に』 昭和中期ごろまでにほぼ一般的な通念となった写真の「社会的有用性」を骨格にしたルポルタージュ性の濃い報道写真やリアリズム写真の流れに対して、時代意識の中で挫折もしくは退潮していったアート志向の福原信三や野島康三、中山岩太、安井仲治などの先駆性ゆたかな写真家の個性表現や写真運動の内部を精密に照らし出し、正当な位置づけの再検討をうながすきわめて説得力のある見逃せない一書であろう。さまざまに示唆されている見方や仮説はわが国の写真史に新しい局面を切り開く貴重な試論として、今後さらに考究されるべき問題性を多くはらんだ好著である。
 

新人賞 北野 謙  
一枚の印画紙に何十枚ものネガから人物の顔を重ね焼きするという独自の手法で、特定の職業や集団の平均的ポートレートを抽出する「our face」シリーズ。技法の斬新さはもとより、ざわざわとしたおぼろげな輪郭の中に浮き上がる“日本人の典型的な顔”は、新しいタイプの肖像写真あるいは民族の記録として、現代写真の可能性を示したといえる。作者は、この手法をプロジェクトとして継続し、キャバクラ嬢、漁師、僧侶、舞妓など、実にさまざまな人間カテゴリーを映像化した。昨年、PGIで開いた個展、東京国立近代美術館での「写真の現在3−臨界をめぐる6つの試論」への参加など、発表活動も目ざましい。
 
吉村和敏  
郷里の長野県松本市の景観に似通うカナダのプリンス・エドワード島に通いつめて写真開眼して以来、19年間、カナダや欧州各国のカントリーサイド暮らしの中で抒情あふれる鮮明な色彩感覚で秀作を発表しつづけた。ことに詩人の谷川俊太郎と組んだ『あさ/朝』『ゆう/夕』は爆発的な売れゆきを示し、スローライフの時代意識を明確に表現する愉しく明るい映像として若い世代の映像アイドルとなってきた観がある。最近作の『林檎の里の物語』も亡き祖父母の思い出を重ね合わせたカナダの片田舎の詩情あふれる丘陵地帯の物語である。美しくあざやかな切れ味のいい快よさが伝わってくる吉村調の力作であろう。
 
特別賞 ジェイ・ウォーリー・ヒギンズ  
アメリカ・ニュージャージー生まれの作者は戦後、駐留軍軍属として来日、昭和30年以降も日本に滞在し、全国をくまなく探訪して鉄道写真を撮りまくった。都市部の大手私鉄から地方の路面電車、軽便鉄道、森林鉄道・・・写真集に収録されたその写真記録のきめ細かさとボリュームは驚嘆に値する。当時まだ貴重だったカラーフイルムを駆使して撮られたその映像は、鉄道写真としての意味が大きいばかりではなく、列車とともに周囲に写し込まれた沿線の風景は、得がたい日本の故郷のアルバムとしても非常に良質で価値が高い。
 
選考委員: 板見 浩史(フォトエディター)
  川口 邦雄(写真家)
  齋藤 康一(写真家)
  竹内 敏信(写真家)
  長野 重一(写真家)
  原 直久  (日本大学芸術学部教授)
  深川 雅文(美術館学芸員)
 
(五十音順、敬称略)
 

■2007年度日本写真協会賞受賞作品展
 
期間:2007年6月1日(金)〜6月7日(木)  
会場:富士フォトサロン東京・銀座  
〒104-0061 東京都中央区銀座5-1
銀座ファイブ2F: TEL. 03-3571-9411
   
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