社団法人 日本写真協会
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東京写真月間 日本写真協会賞 入会案内 写真協会プロフィール 事業報告
受賞者
受賞理由
国際賞
EU・ジャパンフェスト
日本委員会

 
ヨーロッパの経済統合を機に、日欧の文化交流を推進する非政府系機関(NGO)として活動している団体で、芸術文化プログラム「EU・ジャパンフェスト」を経済界の文化支援メセナ活動として主催してきた。ことに近年はヨーロッパの写真家を日本に招き、その作品を日欧で展示公開するプログラム「日本に向けられたヨーロッパ人の眼」や、日本の新進写真家を欧州各地に派遣して、シリーズ写真集『In-between』を刊行するなど、写真を通じての日欧文化交流に顕著な貢献をしている。

功労賞

長野 重一
 
名取洋之助の『週刊サンニュース』から出発し、「話題のフォトルポ」でデビューして以来、戦後の情報化社会の中の大衆意識を社会時評的なフォトエッセイふうの視座でとらえ、新しい報道写真の出現といわれたようにわが国のドキュメンタリー・フォトの在り様に鮮烈な新風を吹き込んだ。以来、長年にわたって時代の変転の中の都市と人間のかかわりを冷徹な「遠い視線」で見つめた写真表現はつねに社会動向を検証する独自の傾きを帯びていた。「東京オリンピック」の記録など映画分野での活躍も見落とせない。
 
西宮 正明  
森羅万象あらゆるものの形やたたずまいに鋭敏な感性を向けて、造形力の豊かさを発揮した作品を数多く制作し、その成果を広告写真の世界にも持ち込み、わが国のコマーシャルフォトの水準を高める牽引役を果たしてきた。さらには社団法人日本広告写真家協会の組織確立や、その会員たる商業写真家の社会的な活躍の意義を、広く社会一般に啓蒙する活動を推し進め、さらに大学教育を通じて後進の育成に努めた業績は、写真界広しといえど貴重である。
 
文化振興賞  植田正治写真美術館  
山陰・鳥取の出生地を生涯離れず、わが国の近代写真の形成期から実作者として活躍してきた植田正治は近年ますます内外ともに評価を高めてきている。その植田写真のすべてを1995年に収蔵して以来、10年間、多彩な展覧活動を展開してきたが、2005年6月からヨーロッパ大回顧展がスペイン・マドリードから始まり、ひきつづき06年秋にかけてスイス・オランダ・フランスを巡回する予定で、わが国の写真文化の中の世界に通ずる風土性ゆたかなモダニズムを紹介している。
相模原市総合写真祭
フォトシティさがみはら
実行委員会
 

写真展を中心にドキュメンタリー・フォトを基軸にしてプロ・アマを問わず有望な新人や中堅に脚光を当て、さらにひろくアジア地域の写真家を対象に顕彰してきた5年間にわたる着実な足跡は単に地域の文化活動にとどまらず、わが国の写真文化の発展に大きく寄与してきた。市民サイドからみても身近な生活実感のある記録性を重視した写真祭には、多くの共感が集まっている。
 
年度賞 内山 英明  
写真集『JAPAN UNDERGROUND 掘戞‖臈垰圓涼浪爾砲劼蹐る未知の世界に挑んで13年間、ついに完結篇を上梓した一大労作であり、全3巻を通じて、その圧倒的な映像力量によってあきらかにされた驚愕のメカニックな構造空間は、単に都市機能を支えるライフ・ラインにとどまらず、都市の生活空間の未来像の可能性さえも示唆している。ミステリアスな独自の美意識で展開した見事な表現は、まさに超現実的な幻想世界の迷宮へと誘い込むのである。
 
作家賞 石内 都  
70年代末に『Apartment』『絶唱、横須賀ストーリー』など場所や街に潜む気配を描きあげた鮮烈な作品を発表し木村伊兵衛賞を受賞して以来、深淵で不可視な情感の表現にこだわり続けてきた稀有な写真家で、80年代以降は同世代の生の軌跡を身体に読み取る作品を制作し、人間の存在とその尊厳を問う姿勢を貫き、ついには自身の亡き母への追憶を通じて、女性の生の本質的な意義を普遍的に表現するにいたった。05年にはベネチア・ビエンナーレに参加するなど活発な活動を展開している。
 
学芸賞 岡井 耀毅

 
写真雑誌『アサヒカメラ』編集長の経歴を持つのみならず、幅広く写真評論や解説、編集に携わってきた豊かな経験から、説得力のある文筆で活躍を続けている岡井耀毅が、満を持して上梓した『土門拳の格闘』は、一写真家の単なる評伝にとどまらず、土門の生きた時代やその社会の特質をも語る雄弁な著作で、ことに土門拳の情熱を代弁するかのごとき気迫みなぎる文体が、土門写真の真価の継承に意義深い作用を果たすことは必至である

 

新人賞 小栗 昌子  
時代からすっかり取り残され、山村のあばら家に病苦と貧困にさいなまれてひっそりと暮らす姉と弟のドキュメンタリー『百年のひまわり』は、社会的弱者の声なき声を代弁するばかりでなく、現代の日本社会が抱えるさまざまな困難を雄弁に物語る秀作で、忘れられがちな目立たない人々の控えめな生とその死を直視することで、人間としての倫理観、共生ということの尊さを問い直す重要な問題提起を果たしている。
 
尾仲 浩二  
自称「マタタビ写真家」尾仲浩二は、デビュー作の『背高あわだち草』以来、一貫して独自の風景観で、あわただしく移り変わる現代社会の一隅に置き去りになった懐かしさやゆかしい情景を求めて、果てしない旅を続けている。その作品は近代産業化社会につき物の栄枯盛衰を物語るさびしい情緒が色濃く漂い、味わい深いものがある。ヨーロッパに取材した近作にもその特質は、顕著に生かされている。
 
風間 健介  
写真集『夕張』の感動は「常識的通俗」を裏返す視座の鮮烈な気高い結晶にある。16年前、夕張に住みついた眼には、炭鉱遺構とその周辺のたたずまいは、過去の栄枯盛衰や暗いイメージを超越した「日本人の原光景」という乾き切った現実しかなかった。日本人の生き方に根源的につらなる「いまある存在」として限りなく原光景に近いという純粋認識であって、そこには闇の中の光と雪景の中にノスタルジーと切断された「記憶」がまたたくばかり。その新しい視座の獲得こそがすぐれた新人の特権なのだ。
 
選考委員: 金子  隆一(写真評論家)
  坂田栄一郎(写真家)
  白籏  史朗(写真家)
  長友  健二(写真家・(社)日本広告写真家協会会長)
  前田  利昭(日本カメラ編集長)
  宮嶋  康彦(写真家)
 
(五十音順、敬称略)
 

■2006年度日本写真協会賞受賞作品展
 
期間:2006年6月2日(金)〜6月8日(木)  
会場:富士フォトサロン/東京  
〒104-0061 東京都中央区銀座5-1
銀座ファイブ2F: TEL. 03-3571-9411
   
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